配偶者居住権の消滅時は贈与税

いろいろ話題となっている配偶者居住権ですが、それが当該配偶者と建物等所有者との間の合意により解除された場合、あるいは配偶者が放棄した場合で、建物等所有者がなんらかの対価を支払わなかったとき、または著しく低い価額の対価で支払った時の扱いは不明でした。今般、国税庁は配偶者居住権が消滅した場合についての取扱いを「相続税法基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の中で、配偶者からの「贈与」として取り扱うこととし、贈与税が課されることになりました。配偶者居住権が消滅したことにより、使用収益する権利が建物等所有者に移転すると考えられるためです。
原則として、建物等所有者が、配偶者居住権の消滅直前に、配偶者が有していた配偶者居住権の価額に相当する利益、または土地を配偶者居住権に基づき使用する権利の価額に相当する利益に相当する金額(対価の支払いがあった場合には、その価額を控除した金額)を、配偶者から贈与により取得したものとして取り扱うわけですね。相続時は将来の自宅売却の可能性も考慮して判断する必要がありそう。
なお、配偶者の死亡及び賃貸借期間の満了、並びに、賃借物の全部の滅失等による賃貸借の終了による配偶者居住権の消滅の場合は、こうした取り扱いはしないようです。

■参考:国税庁|相続税法基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/sozoku/kaisei/1907xx/pdf/001.pdf

 

2019年09月12日