改正民法施行で4月1日から行政書士の契約書も変わる?

業務受任にあたり事前に契約書を交わされている行政書士の方がほとんどかと思います。
当事務所も業務受任にあたり暴力団排除条項書面のほか、業務委任契約書の締結を原則とし、ホームページにも掲載しております。
これら書面については、4月1日に施行される債権法改正により、リーガルチェックして手直しすべき条項もあるかなと考えております。

(改正)
委任契約に受任者の自ら委任事務を処理すべき義務(自己執行義務)が定められる。
従来は復代理のルールを参考に、例外的に認められるとされてきた復委任について、復委任できる要件が明文化(委任者の許諾を得たとき、やむを得ない事由があるとき)される。
復受任者は委任者に対して、その権限の範囲内で、受任者と同一の権利義務を有することになる。

トラブル回避のため契約書に「再委託の条項」が必要になる。
委任事務の執行にあたり、一部を他の士業の方に依頼するケースは少なくないため、今まで以上に第三者を使用する際のルールを契約書に盛り込んでおく必要がある。

(改正)
委任契約が「委任者の責めに帰することができない事由」によって中途終了のとき、「委任者・受任者のいずれにも責任がない場合」と、「受任者のみに責任がある場合」で報酬請求権(割合的請求)のルールが異なった
履行割合型…履行割合に応じた請求
成果報酬型…利益の割合に応じた請求(既に行った委任事務の履行の結果が可分(成果の分割が可能である)で、かつ、その給付によって委任者が利益を受けることが要件)

トラブル回避のため契約書に「報酬の割合的請求の条項」が必要になる。
委任契約の報酬の支払時期と中途解約した場合の報酬に関するルールは「任意規定」であるから、契約が「履行割合型」か「成果完成型」にあたるのかを区別し、具体的な報酬の支払時期の明確化、中途解約の場合の請求にいて、契約書に盛り込んでおく必要がある。

以上、当事務所はまだ整理不足で、具体的に契約書面に落とし込めておりませんが、皆さんも、民法改正に対応していないことによる報酬未払いなどのデメリットを受けないよう、契約書を見直されてはいかがでしょうか。

 

2020年03月08日