孫の教育費はその都度贈与しないとダメ!

孫の教育費はその都度贈与しないとダメ!
孫の贈与はその都度、直接、使い切る!

課税されない孫への贈与にすること
教育費・生活費は必要な都度、直接贈与しましょう。

扶養義務者相互間において、生活費又は教育費に充てるために贈与を受けた財産のうち、通常必要と認められるものについては、贈与税の課税対象とはなりません。
扶養義務者の範囲は、民法に規定されています。
その範囲は広く、
・配偶者
・直系血族(子、親、祖父母、総祖父母、孫、曾孫など)
・兄弟姉妹(全血か半血かは問わない)
・三親等内の親族(叔父・叔母、伯父・伯母、甥、姪、それらの配偶者など)(範囲が広いため、「特別の事情」と「家庭裁判所の審判」が要件)
このように、教育費・生活費はかなりの広範で非課税の贈与ができます。
ただし国税庁の要件として、贈与はその都度、直接、そして使い切ることが必要です。

この教育費・生活費の贈与に問題は?
祖父母が孫の入学金を払った。
問題ありません。1代目(祖父母)、2代目(両親)、3代目(子供)の家族で、一般的に3代目の教育費を負担するは2代目であると考えると、実質的に1代目が2代目にお金を贈与したようにも思えます。しかし扶養義務者には祖父母が含まれ、扶養義務書が複数人いる場合の優先順の定めもありません。この考え方で、1代目から4代目(曾孫)への贈与も非課税です。
孫が東京の大学に合格したので、秋田県在住の祖父が授業料を支払った。
問題ありません。家族の生活費を負担することは扶養義務者として当たり前であることから、遠隔地にいても同様の扱いとなります。
息子夫婦と生計を別にする祖父が孫の入学金を支払った。
問題ありません。教育費の贈与には生計を同一との要件はありません。
息子は通常の生活を営むだけの十分の収入があるが、その子(孫)の学費を年金生活の祖父が支払った。
問題ありません。この場合、祖父が孫に教育費を贈与するにあたり、親の資力は関係ありません。なおこの例において、たとえば親の資力が(例)年収1億、資産3億などと潤沢すぎた場合、相当に厳密に扱わないと贈与は否認されるかもしれません。
祖父が孫の大学の学費4年分をまとめて手渡した。
問題がある贈与です。必要な都度の教育費・生活費の贈与ではなく、その時に教育費とならなかった分は課税対象です。たとえば毎年の非課税枠に合わせ、分かりやすく毎年4月1日に110万円ずつ4年間、口座に振り込むなど行いがちです。この場合、あらかじめ決めていた贈与額(110万×4年分)を時期をズラしただけとみなされ、一括贈与と判断される可能性があります。教育費・生活費は、必要な都度渡す場合のみ非課税です。
一人暮らしの大学生の孫は、祖父からもらった生活費の一部を貯金している。
問題がある贈与です。贈与税の対象か、教育費・生活費として非課税となるかの判断はお金を渡す時の「目的と時期」がポイントです。渡したお金が教育費・生活費として都度支払いが必要な時に渡され、支払いに充てられていれば非課税として扱われます。生活費に関しても、当月を目安として全額生活費として充てられた場合に非課税として扱われます。
孫が私立の医科大に進学するので、祖父は入学金1,000万円を支払った。
問題ありません。贈与税の非課税枠は110万円ですが、教育費・生活費で必要な都度渡す場合の非課税は上限はありません。なおこの例において、たとえば親が既に入学金を支払ていたが、祖父から遡って贈与を受けることになった場合には、必要な都度渡すルールに沿っていないことから、教育費として非課税対象になりません。
孫は大学生活の準備で祖父からもらった生活費を、敷金・礼金・家具・家電製品の調達で使い切った。
問題ありません。敷金・礼金・家具・家電製品なども「日常生活に必要な生活費」と同様に考えることができ、贈与税の非課税として扱われます。ただし、この程度必要だろうと想定してまとまったお金を渡すのではなく、「必要な都度に渡す」ルールを守り、費用が確定してから振込をしたり贈与をしましょう。なお車は生活するのに必要でも、日用品である冷蔵庫などの家電などとは訳が違います。贈与税に対する非課税枠ありません。
孫は遠地の大学で一人暮らしのため、祖母は毎月15万円を仕送りをしていた。
問題ありません。毎月15万円が全て教育費・生活費で消費されれば、年間110万円を超えても大丈夫です。重要なのはタイミングで、必要な都度に渡す。13万円で良いけど、生活費はなるべく余裕を持って渡してあげたいのでちょっと多めに14万円、毎月10万円必要だから1年間分まとめて120万円渡す、こういった贈与は避けましょう。
孫は祖母からの月15万円の生活費の仕送りと、大学のボランティア活動費に使うアルバイト代毎月8万円を同じ口座に振込んでいる。
問題がある贈与です。お金に色はつけられませんから、口座を分けるなど、仕送りが生活費である証拠を残しましょう。またアルバイトをする場合、1月1日~12月31日までのアルバイト収入が103万円を超える扶養対象者から外れます。更にボランティア活動は学校等において授業の一環で行う以外は、非課税ではありません。


お金に色はつけられません。使った証拠を残していくべきです。

孫に教育費・生活費を贈与する際、孫名義の預金口座にお金を振込んだあと、その孫が学校の窓口で入学金の支払いをすることは少ないでしょう。現実的には両親が支払いなどの手続きをするため、贈与するお金はつい両親名義の普段使っている口座に振り込んでしまいます。
すると元の口座のお金と贈与のお金が混じってしまい、贈与したお金が教育費に使われたかわからなくなり、税務調査で証明が難しくなります(お金に色はありませんよ。)。

ざっくりとポイントは、
① 直接、学校や塾に振り込む
 一番早道ですが、両親からの振り込みでないと受け付けてくれない学校もあるそうです。
② 専用の口座を一つ開設する
 手間はかかるが確実です。入金は贈与資金、出金は教育費・生活費関係の支出だけにすれば証拠になります。

教育費の贈与の非課税制度は2つ(一括贈与の特例と昔からの都度贈与)あるので、今すぐ必要であれば特例を使わなくても非課税です。ただし使っている証拠を残すために、お金の流れを明確にしましょう。

特例制度の一括贈与と昔からの都度贈与を組み合わせれば、1,500万円以上の教育費を非課税にすることも可能です。
この際、一括贈与の額は絶対に使い切れるという額にとどめておき、不足分はその都度贈与の非課税枠を使うのが、孫のためには賢明と思われます。
 

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