金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」令和元年6月3日について雑感

議論を呼んでいる「30年間で約2000万円が必要」とする金融審議会の報告書を遅ればせながら読みました。確かに金融庁が金融機関の資産形成商品を推しすぎてる感は個人的には鼻につきましたが、報道の2000万円の部分は厚労省21回WGの出典を淡々と引用したものでした。
高齢夫婦は収入も年金給付に移行するなどで減少しているため、無職世帯の平均的な姿で見ると、収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生するので、赤字額は自身が保有する金融資産より補填することとなり、20年で約1,300万円、30年で約2,000万円の取崩しが必要と綴っており、国民に本報告書の問題意識を訴え続け、国民間での議論を喚起するという、常識的な内容でした。
個人的には推しすぎと感じる資産形成については、退職金の金額の大きさを踏まえると、
資産運用に回す金額は多額であると言えることから、こうした投資を行う際には、運用方針や資産運用にあたって必要な金融に関する知識を、事前にある程度は身につけてから臨むことが望ましいと言えるとして、注記されています。
なお報道では触れられませんが、添付された資料では「認知症」がトップの記述であり、成年後見制度の利用促進計画について、資産形成より上位ページで触れています。
報告書は自ら議論を提起するとしているので、この際、正論を国会で行って欲しいです。

2019年06月13日